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ブルーベリー生産者さんを訪ねて

お花を生産する人を訪ねて 2024.06.20

福岡県八女市でブルーベリーなどを生産されている落合さんをお伺いしてきました。

福岡県八女市は、空気や水がきれいな自然に満ち溢れた場所。

道の駅などがある少し開けた場所から、車で山の深い方へ。

山の中へ分け入っていくと、透き通る水の小川や生い茂る緑の間を抜けた先に落合さんのブルーベリー畑がありました。

自然にも、人にもやさしい育て方

切り花に使うブルーベリーの旬は、6月いっぱいから7月のはじめごろ。

切り花用のブルーベリーは、熟す前のまだ青い実を、先の方からほんのり色がつき始めたくらいの状態で出荷します。

枝付きのブルーベリーの実は、時間が経つにつれて先の方から少しずつ、薄い水彩の絵の具を重ねていくように色が濃くなっていきます。

さわやかな緑色の実が、先の方からごく明るい赤色、やがては濃い藍色やワイン色に徐々に染まっていく様子は、これから始まる夏への期待をふくらませているかのよう。

落合さんが切り花用のブルーベリーの栽培を始められたのは、およそ6年前。お父様の代から木を受け継ぎ、畑を広げるためにご自身でショベルカーで山を切り出して畑を作られたそうです。

当初は食用での販売を目指していましたが、ブルーベリーは熟すと崩れてしまうために出荷タイミングの判断が難しく、途中から切り花に切り替えたとのことでした。

落合さんは無農薬でブルーベリーを栽培されています。枝物として出荷した後に木に残った、売り物にはならないブルーベリーの実を、ご家族でジャムにして食べたりもするそうです。

私たちが手にする、切り花で枝物として出荷されたブルーベリーは熟しても食べることはできませんが、とてもうらやましい生活ですよね。

みずみずしい生命の力

ブルーベリーは、とても生命力の強い植物です。切り花として飾ってもなかなか水落ち(水分がなくなって、しおれてしまうこと)することなく、きちんとお手入れすれば、一カ月以上もそばにおいて愛でることができます。

お話を伺ったとき、生産者の落合さんが、「ブルーベリーってね、全然水落ちせんのよ!そこはほんとに、すごい植物やなーと思うっちゃね!」と生き生きとした笑顔でおっしゃっていたのが心に残っています。

エネルギッシュで熱意にあふれた落合さんのお人柄を、畑のブルーベリーの力強い枝づきや豊かな実つきにも感じることができました。

切り花としてのブルーベリーの魅力

今回産地を訪問して、実際にブルーベリーが生えている様子を見て、ブルーベリーは食べるだけのものではなくて、日々の変化を楽しんで愛でることもできる植物なんだなと感じました。

私は、切り花としてブルーベリーを見たのは初めてでした。じっと見ていると、枝なりになった丸い実とすっと伸びた枝のたたずまいはかわいらしくもユーモラスで、食べ物だけではないブルーベリーの可能性を感じることができました。

家庭で植えるブルーベリーの木といえば、大人の背丈に届かないくらいの小さな木というイメージですが、落合さんがお父様から受け継いだという20年もののブルーベリーは、2メートルをゆうに超えるほどの大きな木でした。

私の両腕を広げたくらいの大きな枝の途中から、枝の向きや見栄えを考えながら長さを調節して切り、花瓶に活けられるくらいの長さにして飾ります。

飾り方を工夫すれば、さまざまな楽しみ方ができますよ。

ブルーベリーの枝のみですっきりと。

他のお花と一緒に活けて、枝の動きを活かした飾り方。

透明な花瓶に活けると、実のついていない硬い枝の部分もなんだか生き生きとして面白くて、一本一本の表情の違いに目を凝らしてみたくなりますね。

雄大な自然の中で力いっぱい育ったブルーベリーを愛でながら、さわやかな生命力に溢れた初夏の気配を感じてみませんか。

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