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松の生産者さんを訪ねて
お花を生産する人を訪ねて 2024.08.21茨城県来栖市にある松の生産者、株式会社 長谷川花松園の長谷川 聖人さんにお話しをお伺いしてきました。
松といえばお正月や縁起ものとして、古くから愛されています。
長谷川さんの松は接ぎ木の技術を使い、様々な品種やデザイン性の高い高品質な松を栽培されています。
長谷川さんの松は、奈良の大仏様に献上されたり、生け花では等級の高い方しか使用できないような松を取り扱われています。
今回はお正月以外の松の魅力を知っていただきたいと思い、広大な産地・たくさんの品種をご紹介いただきました。
切り花で使われる松
松のイメージは防風林で使われている大きな木を想像していたのですが、切り花で使われる松はとても小さく、低く、想像していたイメージとは違いました。
暑さに強く、さらさらの砂でも育つようで、今回長谷川さんがするっと松を収穫してくだったのですが、
根っこからこんなに簡単にするっと抜けた瞬間は、とても衝撃でした。
松の根っこ、初めて見ました・・!
松の年数の数え方は、枝の節の大きさで図るそうです。
枝の長さは水分量によって、長さが変わり、松の種類によって成長の体質も変わります。
節目(赤い線)が5つ付いているので、接木してから5年目の松。
台木が3年経過してることを考慮すると、総年数は8年の松だそうです。
松を見かけたら、ぜひ数えてみてくださいね。
接ぎ木という技術を使って
松は育つまで7年かかると言われています。
黒松という台木を育ててから接ぎ木の技術を使って、新しい種類の松を長い年月をかけて育てます。
長谷川さんの松は、特にデザイン性にもこだわっているので、形を整えるのがとても大変とのことでした。
手作業なので、二ヶ月くらいかけて綺麗に整えていくそうです。
丁寧な手間と時間がかかるので、価格も高価で貴重な松になります。
素敵な松は、丁寧な手作業で時間と愛情をかけて育てられてるんですね。
▲こちらの写真は、赤子松という松の赤ちゃんになります。
生後三ヶ月くらいのちいさな松が、年月が経つと立派に育つ姿は、こどもの成長にも似ている気がしました。
赤子松の育つ過程で大変なのは、雑草抜きだそうです。
30万本くらい植えられているそうなので、成長が早い雑草を手作業で取り除くのもとても大変な作業です。
お正月以外の松
長谷川さんが育てられた松の魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、東京 吉祥寺にあるお花屋【ヒトクサ】さんに協力していただき、松を飾らせていただきました。
立派な枝と、美しいグラデーションの葉がとっても爽やかでスモークグリーンとの相性もばっちり。
お正月以外にも松の魅力・感動をたくさんの人に知って欲しいという、長谷川さんの想いがあります。
最近では、暮らしのインテリアとして伝統文化を大切にしつつ、現代風にアレンジされた盆栽も人気が高いです。ですが、切り花はまだお正月が主流です。
今回産地を訪問させていただき、広大な土地と太陽の恵みで育った松は、葉や枝の色合いや動きがとっても美しいことに感動しました。
縁起ものとしてよりも、美しい存在として愛でていただけます。
暑さに強く、存在感のある松はインテリアにもおススメです。
いただいた松は1ヶ月以上日持ちしたので、驚きです。
お花屋さんで松を見かけた際は、松の幅広い魅力を手に取って知っていただけたら嬉しいです。